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2020年8月28日 (金)

ヘルマン•カザック『流れの背後の市』

  耐え難く暑い中、連日のコロナ感染者数の発表で憂うつな日々が続いています。近くの保育園でもクラスターが発生しているので、子供が走り回るショッピングモールには出来るだけ行かないようにしています。妻はテレワークで大変いそがしく、チーム•ディスカッション、ワン•オン•ワン•ミーティング、テクニカル•トレーニングなど、気の抜けないタスクが多く、たまの休憩時間にはピアノを弾いたり、猫と遊んだりしています。パリのオテル•グランゾムからプロモーションのメールが来て、妻は行きたいようですが、欧州はまず2年は無理でしょう。私自身は、とにかく、コロナと熱中症をなんとかやり過ごして、死ななければいいや、というのが今の心境です。

  「列車が速度を落とし、終着駅のすぐ前にかかっている大きな河橋をゆっくり渡ってゆくとき、ローベルトは車室の窓側に寄って、後にしつつある土地に更に一瞥を投げた。」

  素晴らしい出だし。ジュリアン•グラックの『森のバルコニー』の書き出しを思い出させます。河の流れの上を渡るということが、異世界への最後の扉を開けるのです。ヘルマン•カザック Hermann Kasack(1896~1966)の『流れの背後の市』Die Stadt hinter dem Strom (1954新潮社•原田義人訳)は1942年に執筆が開始され、一年の軍役を挟んで、1947年に発表されました。この年号が決定的に重要です。ドイツは1943年のハンブルク爆撃以来、ほぼ全都市で連合軍による壊滅的な空襲を受けました。それと時を同じくして、ドイツは占領地全土でユダヤ人の組織的殲滅を行なっていたのです。完全に荒廃した国土と、人類史上類を見ないおぞましくも恐ろしい犯罪の加担者として、ドイツ国民は苦渋に満ちた戦後を始めました。

  この時代に生きた作家として、どんな小説を仕上げるべきか? カザックはハンス•エーリッヒ•ノサック(1901~1977)と何度も手紙を交わして話し合いました。現実の荒廃と残忍さを描くことは難しい。あまりに多くの人が死んだので、生き残った人たちも、また幽霊のように生きています。瓦礫に覆われた街、死臭の漂う街を歩いていると、自分が生きているのか死んでいるのか、亡霊になったのは自分なのかそれとも死んでいった家族なのか、いわば霊の世界というものが現実に侵入して、現実そのものも霊の世界の中に取り込まれていくようです。

  この不分明な半ば幻想的な日常を様々な異なった温度で捉えようとしたのがノサックの傑作短編集『死神とのインタビュー』(岩波文庫)でした。ハンブルク大空襲のルポルタージュである「滅亡」や非現実と現実が交じり合う「クロンツ」「ドロテーア」「海から来た若者」など忘れ難い強い印象を残す作品が収録されています。表題作の「死神とのインタビュー」は、作家である自分が要請されて死神の家を訪問する話ですが、母親と妹と暮らす死神は裕福とは言えず、ダンサーとして朝まで働いている妹の稼ぎで、かろうじて手に入りにくい珈琲を飲んでいます。洋服は擦り切れて、昔のような威厳はすっかり失われ、何より、戦後の生きていくことが困難な時代には、誰も死神を特別な存在とは思いません。『流れの背後の市』と同じ1947年に発表されたノサックの『ネキュイア』(邦題は『死者への手向け』)は長編の処女作ですが、あまりに濃密で抽象的、幻想的で小説としては失敗作と言ってよいでしょう。それに反して、カザックの『流れの背後の市』は、同じ「死」を主題にしながら、謎めいた展開、何やら深淵めいた議論、不思議な恋物語の顛末、全く予想できない結末への興味で、読む者を最後まで飽きさせません。

  早速、物語の続きを見てみましょう。主人公のローベルト•リンドホフ博士は35歳、ギルガメシュ叙事詩の研究者で、今、ある市庁からの招待で夜行列車に乗って河を渡り「流れの背後の市」に到着したばかりです。早朝なので駅前にはほとんど人が見えませんが、辺りは瓦礫で埋まり、所々残っている建物も、映画のセットのように正面がかろうじて体裁を保っているだけです。どうも、生活の大半は地下で過ごされているようで、ローベルトが地下に降りてみると、街路のようなものが複雑に張り巡らされ、戸のない開け放たれた部屋が無数に並んでいます。朝早くなのに人々が行列している店があったので、覗いてみると、どうも散髪屋らしい。人々はそこで髪を切ったり髭を剃ったりしてもらっていますが、終わったばかりのある客は顎に手を当てて剃り心地を確かめた後で、何とまた行列の後ろに並んでいます。この散髪屋の行列はいわば無限ループを繰り返しているのです。その近くには、珍しく扉を閉じた店があって、開店を待っている人々が行列しています。しかし、近くにいた人の話では、その人々は夜遅くまで同じ場所で待っていて、また翌日になると、別の人々が一日中その店の前で待っているそうです。いつまでも開かない店の前で、いつまでも待つ人々、この地下の街は何か秘密に満ちているようです。

  ローベルトが、これらの情景を眺めていると、いきなり声をかけてくる人がいました。振り返ると、何と、母から卒中で死んだと聞かされていた父親で、病気で衰弱した体をこの地で療養するために来ていると言っていました。父親は弁護士で、係争中の案件を近々この市の裁判所で再開すると言ってローベルトを驚かせます。ローベルトは、また、市庁舎への道を教えてくれた女性が、愛人のアンナではないかと疑います。アンナは外科医の夫との離婚騒動で絶望して山に逃げて行方不明になったと言われていました。

  市庁舎に着くと、高等委員という男性が応接して、ローベルトに市の文書を管理している文庫の総責任者の仕事を任せたいと言いました。文庫は古門といわれる古い建物の中にあって、地下深くまで人類の英知というべき万巻の書、無名の人々の手記、手紙、メモなどが収集されています。高等委員によると、無名の人たちの覚書が重要で、とくにローベルトには、「生から死に移行する時」の感想を集めて欲しいと要望します。また、文庫管理者は同時に市の年代記作者でもあって、この市に滞在して記録すべきことを目にしたらすべて書き留めて欲しいと、分厚い白紙のノートを渡されます。面接の最後に、ローベルトは市の長官に紹介されます。といっても実際に会うのではなく、山の上に住んでいるというその長官はスピーカーを通じてローベルトに話しかけるだけでした。彼はローベルトの赴任を祝し、これからの仕事について励ましをあたえます。

  文庫には地下の各階に無数の職員がいますが、ローベルトの執務室と私室の給仕係はレオンハルトという17歳の少年で、昔、入水自殺した同級生とそっくりでした。翌日からローベルトは、市の様子をもっと詳しく知るために市中に散策に出かけます。その途中で、偶然、壁画を修復しているカーテルという昔の親友と会いました。カーテルは芸術家で、市の美術品全般の管理•修復を仕事としています。彼はローベルトの任務を知り、自分が市中を案内しようと申し出ます。地下の街路を歩いていると食堂があり、人々が黙々とブリキのスプーンでスープを飲んでいます。その飲み方も、飲み終わって食堂を出る歩き方も、何かマネキン人形のようで生気が感じられません。

  カーテルが次に見せてくれたのは、大きな部屋で働いているような何人もの女性です。働いているような、というのは、彼女たちは目に見えない戸棚を開け、目に見えない布のようなものを取り出し、丁寧に採寸し、布を裁断し、見えない針に見えない糸を通し、一針一針縫い続けているのです。部屋の別の隅では、縫い上げられた見えない布をきちんと折り畳み、積み上げ、見えない箱に収納しています。この奇妙な光景をローベルトが見つめていると、終業のブザーがなり、女性たちはいそいそと布の束を丁寧にもちあげて、見えない戸棚にきちんと仕舞い、行列を作って部屋を出て行きました。ローベルトは、その女性たちの中にアンナはいないかと探しますが見当たりません。

  カーテルの強い推薦で、ローベルトは市の郊外にある二つの工業施設を見学してみることにしました。どちらに行くのにも、地下街の細い道を長く歩いて行かねばなりません。西にある人造石製成工場に近づくと、道は坑道のようになって、トロッコや車に載せた立方形の石の塊を男たちが黙々と運んでいます。工場内部は見学禁止ですが、文庫管理者の証明書を見せると直ちに許可されました。工場では女たちが、細かい石の粉を四角い型に注ぎ込み、何やら液体を入れ、針金で固定して乾かしています。別の場所では、立方体に成形された人造石を、女たちがピカピカに磨いています。夥しい量の人造石が入口付近に積まれ、それを男たちが次々に運んでいきます。工場の責任者がローベルトに説明したところによると、原料である石粉の量、流す液体、固める時間など、研究と実験を重ねて、より短時間でより多くの数を作り出すことに成功しているとか。「ところで、これら人造石は何に使われるか、あるいはどこかに輸出されるのでしょうか。それともピラミッドでも造るのですか?」とローベルトが質問すると、工場の責任者は、自分たちはこの持ち場だけで、その先は知らないのだ、と答えました。

  ローベルトが市内に帰ろうとすると、カーテルが、東の端の工場も見学するとよい、と言いました。東西の工場は長い地下道によって互いに繋がれています。ようやく東の工場に近づくと、広い道に粉塵のようなものが舞っています。工場内では、細かく砕いた石をさらに細かくするために大きな機械のようなものが唸りを上げています。この工場でも責任者がローベルトを丁重に迎えて、詳しく説明してくれました。それによると、この工場では、西の工場の人造石を作るための原料になる石粉を製造しているとのことです。「近くに採石場でもあるのでしょうか?」とローベルトが質問すると、責任者は呆れたようにローベルトを見て「私たちは市の土地を削るようなことをしませんよ」と言って、工場の一番奥に案内してくれました。ローベルトが驚愕したことには、そこにはきれいに磨かれた立方体の人造石が積んであるのです。それはまず砕かれ、ベルトコンベヤーに載せられて大きな破砕機に飲み込まれていくのです。つまり、西の工場で作った人造石を東の工場で粉砕し、それを原料に西の工場で人造石に固めるのです。

  不思議なことに、この市では子どもの姿を見かけません。市そのものが異常に静かなのは、子どもの声がまったく聞こえないからでしょう。ある日、ローベルトは文庫の執務室で仕事をしている時、珍しく市民の歓声が上がっているので、上のバルコニーから通りを見てみました。女たちが通りの向こうを見ながら手を振ったり声をあげたりしています。彼が目を凝らして見ると、向こうから四列になって歩いてくる子どもたちの行列がありました。小さい子から12、3歳頃までの子どもが、行列というよりさすらいという感じで、皆まばたきせず、やや上目づかいに空を見上げています。皆、頭や胸に花を挿し、女の子たちは、白い服や明るい服を着て、男の子たちは水兵服などを着ています。列の前を歩いている小さな子たちは、人形や輪っかや舟など遊び道具をしっかり小脇に抱えています。車道に群がる女たちは、行列の中に自分の子や知っている子がいないか懸命に探しています。手を振って子どもの名を叫ぶ女もいました。子どもたちは歓声にまったく無関心で、黙々と歩き、市の門の外に出て行きました。カーテルの話によると、この行列は2日おきに行われ、子どもたちは市の外の野原に向かって行くが、その先のことは知らないと言っていました。

  子どもたちが去り、行列を見に来た女たちが職場に戻ろうとするその時、ローベルトは、アンナに似た女性の後姿を見ました。急いで階段を降りて、泉のある広場に追いつくと、やはりアンナその人だったのです。「まあ、ローブ!」とアンナは吃驚して叫びました。「やはり、私を追って発ってくれたの?」ローベルトはアンナを抱きますが、彼女は興奮のあまり意識を失って崩れ落ちます。ローベルトは、アンナの身を起こして泉の縁に座らせ、脈を測ろうとしますが、腕には何重にも包帯が巻かれていて、動脈には触れられません。ローベルトがはじめてアンナに会ったとき、彼女はまだ学生でした。彼がアッシリアの陶製印の説明をした時から二人は急速に親しくなったのです。しかし、彼にはエリーザベトという妻とエーリッヒとベッティーナという二人の子供がいました。アンナは絶望してメルテンスという外科医の求婚を受けますが、ローベルトが忘れられず、山の中に行方を消してしまったのです。「でも、もう此処では自由に二人だけで会えるんだよ」とローベルトがアンナに言うと、彼女は「自由というわけではないわ。いつでも私たちは監視されているような気がするの。でも、ローブ、忘れないで、いつでも私はあなたを心底愛していることを!」泉の広場からアンナを抱えるように歩いて行くと、ローベルトは二人の影が並んで進み、あるいは重なり合って見えました。「アンナ、君の影は僕より薄いね、何でだろう?」とローベルトが言うと、なぜか彼女は黙って強く彼の腕を引き寄せました。

  それから、ローベルトは仕事の合間に、あるいは用事を言い訳にして、何度かアンナと一緒に市内を散策しました。瓦礫が積み上げられている横で、男たちが夥しい量の服や靴や日常の細々したものを並べています。ローベルトが、アンナのために白いショールを買ってあげようとすると、店番の男が長い棒でローベルトの胸に差してある万年筆を指しました。この市では金銭というものがなく、買い物は原則として物々交換か、各自の等級証によって与えられるのです。ローベルトが物々交換を拒否して等級証を見せると、男は慌ててショールに加えて靴や帽子まで差し出しました。ちなみに市民の等級は18に分かれていて、文庫管理者の等級は上から4番目でした。

  ある日、アンナが郊外に住む両親の家に引っ越すというので、ローベルトは彼女のトランクを持って野原の道を郊外まで二人で歩きました。アンナの話では、今まで女ばかり五十人ほどの大部屋に寝泊まりしていて、市庁に何度も引越しを願い出たが断られていた、ところが今度ローベルトの名を出したら即座に許可されたのだというのです。野原の真ん中にあるようなアンナの両親の家は、毎日庭仕事する父親のおかげできれいに整頓されていました。母親は家の前の椅子に座って一日中刺繍をしていますが、父親によると母親は何度も何度も同じ所を繰り返し刺繍しているとのことです。アンナがローベルトを両親に紹介すると、母親は「もうこの娘には何も失うものがありませんからね」とローベルトに言うのでした。

  久しぶりにカーテルが文庫の執務室にいるローベルトを訪れて、市内に漂っている不穏な空気について知らせてきました。なぜか、市に流入してくる人間の数が異常に増えているのです。二日おきに行われる子どもたちの行列も、今は毎日のように行われ、その数も増え、人々は自分のことに忙しく、その行列を見物する者もいない、ということです。「流れの向こうで何か大きな出来事が進行しつつあるに違いない。」とカーテルは言いました。その日の昼に訪れたアンナも、近々、新しい人たちに住居を開けるために、大規模な点呼があるかもしれないと言いました。点呼とは何かとローベルトが聞くと、それは集団移送のことで、指名された人々は市の最北西にある次の宿場に送られる、両親もすでに準備をしている、とアンナは答えました。

  その日の夕に、来訪者が文庫責任者のローベルトに、地下のある地区で開催される集会に参加してほしいと伝えて来ました。ローベルトが承知して、その男の後についていくと、会場には緑の仮面をつけた大勢の人が集まっていました。何人か立っている他は、全員床に蹲っていて、中には苦しそうに横になっている者もいます。襤褸を纏った者も、骨のように痩せた者も、四つん這いになっている者もいます。彼らが口を開ける度に、甘いガスがヒューヒューと仮面から漏れ出して来ます。「憐れみたまえ! 我らを憐れみたまえ!」という連禱のような叫びが会場を揺らしました。緑の仮面をつけた一人が立ち上がって、大声で話し始めました。「我々は誰もが家や財産から引き離され、閉じ込められ、打たれ、虐待され、最後に老いも若きも此処に追い込まれて来たのだ。殺菌室ということが言われたが、ゴムフェルトの扉が我々の背後に閉じられたとき、我々は突然眼前にあるものを理解した。万事が極めて速やかに実行されたので、我々は痛みを訴える余地も告発する余地もなかったのだ。」周囲から呻き声のような音が広まって来ました。「自分の運命以上に」と仮面の男は話を続けました。「全体の意味についての疑問が私を苦しめる。私はもはや答えを見出さない。こうした一切のことがどんな意味のために起こるのかという疑惑と嫌悪が刻一刻と私の心を揺さぶるのだ。」すると、会場のあちこちで、「なぜだ? なぜだ?」という大合唱が起こりました。

  「そうだ」と、興奮したざわめきの中から別の緑の仮面の男が立ち上がって叫びました。彼は立っているのもやっとのように疲れ切っているようでした。「世界がこの二千年間にちょっぴりも良くなっていないなら、人類が今も依然としてただ殺すものと殺されるものから成り、首斬り人と犠牲の大衆から成るならば、あらゆる精神の力なんか悪魔に食われればいいんだ。我々に宗教や哲学が映して見せる蜃気楼なんか失くなればいいんだ!」

  するとその時、会場に血のような赤い仮面をつけた上下黒い服に折り返し長靴を履いた集団が乱入してきました。彼らは緑の仮面をつけた連中を蔑んだ目で見て、先頭の一人がこう叫びました。「その通り。我々は痛めつけ、苦しめてきた。我々は拷問し、殺戮した。なぜなら我々は権力の傭兵だからだ。お前たちは、お前たちを慰めるはずの天使に向かって嘆くがよい。いつまでもただ犠牲の仲間に入っているのは馬鹿者だ。弱さは虐待を招き、屈服はさらに強圧を生むというのに。」そういうと、赤い仮面と黒い服の男たちは風船のように膨れ上がり、ほとんど二倍ほどの体になると、会場全体に響くような笑い声を立てました。

  文庫所長は耐え難くなり、ゆっくりと黒い服の男たちに近づきました。「カインの印が君たちの額には永久に残るのだ。」そう言って、万年筆で、すぐ傍らの黒服の男の胸のあたりを強く弾きました。「飾り物だ」とローベルトが言うと、膨れたゴム管から空気が出るときのような、シユッという音がして、膨らんだ服はしぼみ、次第にちぢまってゆき、ついには空の制服だけが横たわって残りました。こうして、権力の化物、大法螺吹きは次々と倒れ、悪魔の悪臭が立ち昇りました。「こうです、諸君!」とローベルトが言うと、緑の仮面の集団に元気のない微笑が走ったが、すでに皆疲れて眠くなり、這うようにして部屋を出て行きました。

  

  古門にある文庫管理者の私室には縄梯子で出入りする秘密の扉があって、ローベルトはある夕にその部屋にアンナを招待しました。あらかじめ給仕のレオンハルトに指示しておいたので、テーブルには二人分の食事と二本のワインが用意され蝋燭にも火がつけられました。この市では音楽が禁止されているので、二人は静寂の中、それでもワインが進むうちに、かつての愛し合った日々のように互いを求める気持ちは高まってきます。アンナは安楽椅子に身を投げ出し、ローベルトの足に足を絡ませました。ローベルトがアンナの石膏のような白い乳房を見ると、彼女は腕に巻いてある包帯をゆっくりとほどきました。動脈に垂直に深く斬り込まれた傷痕を見てローベルトはギョッとしましたが、アンナは彼の気を鎮めるように優しい抱擁で答えます。ローベルトは波打つ交接の只中で、何故か彫像を抱くような不思議な気持ちに襲われました。

  その時、叫び声を上げて飛び上がったのはアンナでした。「あなたは本物の肉と血を持った幽霊なんだわ!」驚愕が彼女の喉元を締め付けました。その時、ローベルトもまた舌の下に毒のように腐食させる味わいを感じ、それは内臓の中にまで燃え広がって行ったのです。恐怖が彼の体内を走りました。彼は亡霊を抱いていたのであり、もはや生きていない一人の女に彼の愛は向けられていたのでした。電光の一閃が彼の目の前の幕を引き裂きました。アンナもカーテルもレオンハルトも幻影だった。彼は死者たちの市に生きていたのです。

  翌日、ローベルトは眠ったままのアンナを起こして朝食をとり、朝の戸外へ連れ出しました。「私、あなたを愛していてよ、ローベルト、私の一生で愛したことがないくらい、、、。私を連れて行って!」「どこに?」「あなたが行く時、あなたが流れの上の橋を通って帰って行くときよ!」ローベルトは黙ったまま、アンナを抱こうと近寄りました。しかし、彼はただ次のように言っただけでした。「君はもう行かなくちゃならないね。」そして、着物の皺を撫で伸ばそうとして、アンナは軽くよろめきました。彼がアンナを支えようとすると、「有難う、もういいのよ、ローベルト。」「君はなぜ今では僕のことをローベルトと呼ぶんだい?」「いつもはあなたを別の名で呼んでいたのかしら?」「そうだよ、短い名でね。」アンナの額には憂わしげな硬い小皺ができて、もう消え去りません。忘却が徐ろに彼女を捉えていたのです。二人は古門の近くで別れ、アンナは両親の家へ向かいました。道々、アンナは自分の姿が影を投げていないことに気付きました。両親の家に着くと、彼女の部屋以外は見知らぬ到着者たちに占領されていました。入り口のベンチの上には、母親がつい最近まで刺繍していた布が残っていました。針はまだ刺さっていました。古い住民の移送が始まったのです。

  急速な人口の流入で、選別のための大点呼が行われました。ローベルトも招待されて、バルコニーの上で視察しています。広場には数え切れないほどの人数が避難民のように所狭しと集結しています。誰もが労働証明書や請願書を携えて移送を保留してくれるよう願い出ようとしています。全体を指揮しているのは灰色のシルクハットを被った大ドンと呼ばれる人物で、彼は一言も発せず、ただステッキのわずかな動きで、市民一人一人の運命を決めているのです。ローベルトは、群集の中にアンナやカーテルはいないかと双眼鏡で探しましたが見つかりません。車に乗り込む群集の中に給仕のレオンハルトを見つけて、ローベルトは慌てて大ドンにサインを送りました。レオンハルトは辛うじて移送を免れることができたのです。また、大ドンが、バルコニーに上がって来たところを利用して、ローベルトは本来の願い、アンナを連れて生者の世界に帰れないかを懇望しました。「かつてあなたはオルフェウスのためにその妻を冥界から蘇らせたではありませんか。」と言ってみましたが、大ドンは終始無言で否定も肯定もしなかったのです。

  ローベルトが疲れて文庫の私室に帰ると、レオンハルトが恐縮した表情で、是非来ていただきたいところがある、と言いました。それは市の最北西にある館で、選ばれた市民だけが最後の宿場の前に休むことのできる場所だと言うのです。ローベルトは、そこにアンナがいるのではないかと期待して行くことに同意しました。地下道をかなり歩いて、地上に出ると、もう夕方近くで、辺りは荒涼としています。「あれが市の一番外れにある最後の家です。」とレオンハルトは言いました。二人は突風を衝いて入口まで辿り着くと、召使が出てきて「お客様の多くはもう集まっています。さあ、どうぞお入りください。」と言いました。玄関で渡された封書を開けると、「市庁は年代記作者に敬意を表して、その友人諸君に最後の晩餐を提供するものである。」と書かれていました。

  ローベルトが部屋に入ると、馬蹄形に並べられたテーブルにもう客が座っています。ローベルトの姿を見ると、ラテン語で「死者等ハ汝に挨拶ス!」という合唱が聞こえました。「死ニユク者等ヨ、汝等二挨拶ス!」とローベルトも答えました。「吾等ガ魂ヲ救エ、而シテ吾等二安ラギヲ与エヨ。」と連禱に似た合唱が低く響きました。ローベルトが中央に座ると、給仕の女たちが葡萄酒をグラスに注いで回ります。どの客の前にも燃える蝋燭が立っていました。彼らは点呼の後、ここでもう一度一休みすることが許されていたのです。

  「カーテル!」とローベルトは親友を見つけて大きな声を出しました。父親も、アンナの両親もいましたが、アンナその人の姿は見えません。学生時代の友人の詩人もいます。教え子の研究者も、彼の指導教官も、影響を受けたカトリック哲学の教授もいます。ローベルトが発った時にはまだ存命だった人たちもたくさんいました。ここ数年の間、この人たちに降りかかった運命たるやどんなものだったでしょう! 少年時代の初恋の相手エルトムーテには娘時代の面影が残っています。「エルトムーテ、僕は君のためにずいぶん苦しんだ。君は今でも若いんだね。」「でもローベルト、あなたも私の心の中では、いつも若いのよ。」とエルトムーテは言いました。宴は最高潮に達し、大声で歌い出す男たちもいます。皆給仕の女性から葡萄酒を奪うように飲んでいます。蝋燭が一つずつ消えて行くのをレオンハルトが気付いてローベルトに教えました。火の消えたテーブルからは客が一人ずつ去って行きます。ローベルトは彼ら一人ずつに本当の別れの挨拶をしました。部屋にはもうカーテル一人しか残っていません。ローベルトは友を固く抱いて、その友情に感謝しました。目は涙で潤んでいます。「人々に伝えたまえ」とカーテルは言いました。「彼らが此処に来たとき、新しく学ばなくて済むように。」そして蝋燭が消え、カーテルの姿も見えなくなりました。

  この後、ローベルトが一人で最北西の地点まで行ってみることが市庁の希望であるとレオンハルトは伝えました。それで、ローベルトは館の女性から羊のコートを借りて、吹き荒ぶ尾根道を世界の果てまで歩き始めました。並行して走っている向こうの尾根道には、死の国に向かう亡霊の列が歩いています。よろめきながら石にしがみつく亡霊や、怪鳥にさらわれて消えて行く亡霊や、足を滑らせて無の深淵に落ちて行く亡霊もいます。かなり歩いた後、ローベルトは、ついに、二つの尾根道が合流する地点までたどり着きました。道はここで終わり、亡霊たちは永遠の無の国に落とされますが、誤って生の道に迷い込んだ亡霊は、分水嶺のうえに蹲っている憂愁の巫女によって否応なく突き落とされます。ローベルトは巫女の前に立って、ここが終わりの地点なのか尋ねました。その時、薄いヴェールを通して彼はアンナの顔を見たのです。「アンナ、君は無への道を免れたの?」「私はずっとここにいるわ、年代記作者さん。」アンナの中では個別的な感情はもう失われていました。おそらくローベルトの顔も忘れかけているでしょう。アンナは彼に、いくつか質問するように、それに答えるのが巫女の仕事だからと言いました。ローベルトは、「教えてくれ、なぜ人は生きるんだ?」と尋ねました。「死ぬことを学ぶためよ。」と巫女は答えました。「人生は死の一つの比喩なのよ。」ローベルトは万感の思いで石のように硬いアンナの額にキスして、ゆっくり背を向け、元の道を帰り始めました。

  文庫に帰り着いたのは夜でしたが、市庁での高等委員との最後の面談があるので、ローベルトはレオンハルトに湯を汲んでもらって身体を洗い、市庁に向かいました。駅前広場は到着したばかりの死者たちが、思い思いに地下街をのぞいたり、泉の縁に腰掛けたりしています。市庁の公務室にはすでに高等委員が待っていました。ローベルトは年代記作者として、日々の市内の記憶に残る出来事を書き出すノートを託されていました。そのノートを高等委員に提出したのですが、実はそのノートは白紙なのです。ところが、高等委員が頁を繰ると次々とローベルトの感想が文章になって表れてきます。「市長官は」と高等委員は言いました。「貴殿の職務に非常に満足されております。」「本当ですか?」「このノートにもあなたの感想が率直に記されています。貴殿は、たとえば、女性たちが布を縫製する仕草をするところに驚かれました。あれは、昔の生活のある種の名残を思い出させておくためであり、他面、個々の人間がその生時に重要視していたものを空転する意味もあるのです。」以下、意味不明な高等委員の説明が続きました。

  「マイスター•ローベルトに感謝を申し上げる。」と突然ラウドスピーカーから市長官の声がしました。「存在を終末まで窮めることを助けられたからである。」ローベルトは黙って、床を見ていました。「黙っていることは良いことだ。」とまた市長官の声。「なぜなら、あなたは最後の秘密を知っているから。死は生を必要とするということを。」

  「いや」とローベルトはたまらず叫びました。「私には肩書きも感謝もふさわしくありません。死者と死者を見守るこの国の知に私は飽いています。私が呪いによって導かれたこの市、この死の前庭は何という所でしょう!」その激烈な調子に、側にいた高等委員は二、三歩後ろへ退きました。「すべては上っ面だけのものです。私は喜劇を見抜いた! 我々生者たちから君たちは一切を借りているんだ。そして大袈裟に死は生を必要とするなどと秘密めかしているのだ。もう君たちのグロテスクな手品は真平だ!君たちは自分たちの周りを奇妙な慣習やしたたかな欺瞞で取り組んでいる。人間は不安になり死を恐れる、だから君たちが存在しているのだ!」

  ラウドスピーカーからくつくつという笑い声が聞こえ、それは次第に大きな笑い声となって公務室を満たしました。羞恥と怒りがローベルトを満たしました。彼はラウドスピーカーに飛びかかり、そのスピーカーボックスを床に叩きつけ、両足でぐしゃぐしゃになるまで踏み潰しました。高等委員は驚きの目でローベルトを見つめていました。「私は愚か者でした」とローベルトは我に帰って高等委員に告げました。「私もまた世界の謎を解こうとしたのです。」すると、高等委員はローベルトに、この市に留まるか、生者の世界に帰るか、あなたの自由です、と告げました。「僕は人間です。霊ではありません。」そうローベルトは答えました。

  高等委員は秘書を呼んで、「リンドホフ博士にパスを。文庫の私物は駅に送るように。」と言いました。直ちに輿が用意され、ローベルトはそこに乗りこみました。「ご機嫌よう!」と高等委員は最後の声をかけました。駅前に着くと、最後の列車から降りて来た人々が、強い人口光の下、ためらいながら出てきました。ローベルトは立て続けに起こった最後の日の事件でぐったりしていました。「ローベルト!」という大きな声で彼が振り向くと、駅から覚束ない足取りで出てきた母親の姿がありました。「本当にお前なの?」「お母さん、あなたに会うなんて!」と彼は言いました。「僕はあなたに会いに行く途中だったんですよ!」

  「此処の光はきれいだね。私は来る途中、始終この光が輝いているのを見れたんだよ。私は全くいつでも用意が出来ていたんだ。」ローベルトは母親の両手を撫でました。「お父さんに会えるかい?」と母親が聞きました。「お父さんはもういくらか旅を先に進めています。」とローベルトは答えました。「僕はこれから世の中に戻るんです。」「エーリヒとベッティーナはもうずいぶん大きくなったよ。エリーザベトも一人でよく頑張っているよ。」

  「でも僕はそんなに長い間留守にしてたんですか?」「もう10年になるよ。」と母親が言いました。「その間に世の中では多くの恐ろしいことが起こった。なぜ人間はお互いにあんなに残酷でなければならないんだろうね? とうとう私はもう世の中に留まらなくなったよ、何千人、何十万人の人々と同じように。今は私の胸は永遠の平和のうちにあるんだよ。もう神様のところに行くんだからね。」母親はそう言って市電の線路を越えて歩き出しました。ローベルトは彼女の後姿を見送っていましたが、もう自分の声が理解できないとわかった時、哀しみが込み上げました。彼は、最後に、母の後姿に次のような言葉を投げかけました。「お母さん、僕を生んで下すったことを感謝します。」

  ローベルトが駅構内に入ると、秘書が入念に作ったパスは彼を最優先に案内し、駅員は人気のないホームに待っている長い車両の廊下付客車に彼を導きました。木の座席に腰を下ろし、レオンハルトが駅に届けてくれたトランクを開けると、軽食や日用品が用意されていました。ローベルト一人を乗せた列車はまもなく音もなく滑り出し、すぐに流れの上の河橋をわたりはじめました。規則的な揺れにいつのまにか寝入ったローベルトは朝の日差しの中で目を覚ましました。牧草地、教会の尖塔、煙突が倒れたままの工場、すべてが極彩色のように鮮やかです。彼は自分が生者の世界に帰って来たのだと感じました。

  駅のようなところに停まると、大勢の客が一斉に乗り込んで来ました。松葉杖をついた兵士、子供を抱えた婦人、行方不明の身内を探す女性など、とりどりの人生が車内に溢れていました。次の駅に停まると、列車は終点で、皆は運搬用の貨車に乗せられました。筵を引いて横になると居心地が良いので、ローベルトはすぐに家に帰らず、ずっとこの旅を続けようと思いました。やがて、彼は「死者の国から帰った男」「旅する哲学者」として有名になり、レポーターの女性の取材も受けたりしました。死と生についての彼の見解は、いく人かの心をとらえ、シュヴァーベン地方の駅では彼の到着を待つ多くの人たちに迎られました。ときおりローベルトは列車の長い停車時間に近くの山を歩いて時間を潰しました。そんなときに、草の中の小さな墓地を歩いていると、偶然にアンナの墓を見つけました。彼は蹲り、何度も墓の土を握って、ぱらぱらと落としました。「その女の人はこの土地の人ではなかったですよ。」と村の老婆が言いました。「知っています。」とローベルトは答えました。「今はもう此処にもいないのです。」

  ある駅に停まると、黒っぽい服を着た数人の人たちが待っていました。はじめはそれと気付かなかったが、妻のエリーザベトと息子のエーリヒ、それに孫を抱えたベッティーナでした。彼らは新聞記事を読んで、ローベルトに会いに来たのです。彼が彼らに手を差し伸べようとした時、心臓に強い痛みを感じ、瞬間、のけぞって倒れました。気がつくと、列車は駅に着いて、ローベルトはゆっくりと起き上がり、人工灯で明るい駅前の広場を歩き出しました。この街の光景はほとんど忘れていたものの何故か妙に懐かしい感じに襲われました。

  以上が『流れの背後の市』のまさに「粗筋」ですが、結末はやや寂しい。ヒッチコック映画風に、ローベルトがアンナを秘密裡に列車に乗せて河を渡ってしまうことは出来なかったでしょうか。あるいは、レオンハルトがトランクにアンナを隠して駅に運ぶという計画もあり得たでしょう。すでに亡霊であり、幻影でもあったアンナは生者の世界でも生きていて不思議はないはずです、たとえホログラムという形であっても。

  この「粗筋」では、作者がしばしば落ち込む形而上的•禅問答的議論はほとんど割愛しました。特に、物語中最高の叡智の持主マイスター•マグス(文庫のいちばん地下の階に住んでいる)の「宣託」はあまりに通俗的です。彼は、世界は三十三人の人々によって合議し、決定されると言っていますが、ゲルショム•ショーレムなどを読んでいれば、よくある観念で、要するにユダヤ哲学の三十三人の義人のことです。ユダヤの教えによれば、世界は三十三人の義人によって成り立っている、本人がそれを意識しようがしまいが、また世界がそれを知ろうが知るまいが、世界はその人たちによって支えられているので、その人たちはあなたの父親かも知れないし、あなた自身かも知れない、一説にはイエス•キリストもその一人だと言われています。

  マイスター•マグスは、また、これからは東洋の英知に相応の席を与えねばならないと言ってブッダやアショカ王や老子の思想などを強調しますが、これもとってつけたようで新鮮味がありません。ゼーバルトは『空襲と文学』(白水社ゼーバルト•コレクション)で瓦礫の中から出た戦後のドイツ文学の中でカザックの『流れの背後の市』を最も推賞していますが、そこに見られるドイツ教養小説的陳腐さにも言及しています。主人公の「心の旅」の途上で必ず出てくる教師、匠、始祖たち、それは『ウィルヘルム•マイステルの遍歴時代』の「塔の結社」の胡散臭さにも通ずるのですが、エリートたちが叡智の護持者となって、国家の内外から影響力を振るうというよくある構図です。ただ、ここでカザックのために一言記しておきたいのは、『流れの背後の市』のもっとも印象的な場面、最後にローベルトが市長官の声が出てくるラウドスピーカーをぶっ壊す場面で、「教育国家」としてのドイツに鉄槌を食らわせたと見ることはできないでしょうか。

  救いようのない場面、あの緑色の仮面をつけてガスの匂いを発散させる人たちは、むろんアウシュヴィッツの犠牲者たちですが、この小説全体に漂う「点呼」「集団移送」「選別」というシステムも、ドイツ全体主義への批判と言ってよいでしょう。なお、アウシュヴィッツについての文学的営為の最高のものはペーター•ヴァイスの『追究』でしょう。この出来事の悲惨な点は、真面目で謹厳で、勤勉なドイツ人が組織的に一分の緩みなく一民族の粛清を行なったことです。実行者は普通のドイツ人で、その多くは戦後も勤勉に生きていたのです。この本が現在手に入れ難くなっているのは大変残念です。

  

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テレワークの休憩時間、無理やり遊び相手をさせられるルーミー

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千葉県では木更津図書館しか所蔵していなかったので、予約して手元に来るまで2週間かかりました。図書館のネットワークには感謝しかありません。

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ゼーバルトのこの本は短いが一行一行が重要です。ドイツの空襲被害についての貴重な考察。

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ハンブルク空襲のルポ「滅亡」はこの短編集の白眉

 

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今読んでも古さを全く感じさせない傑作劇

 

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